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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート  vol.53  中小企業はプレイングマネージャーを育てろ! という話

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート  vol.53  中小企業はプレイングマネージャーを育てろ! という話 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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こんにちは。佐藤勝人です。今月のお話は、これもプロ野球シーズンが始まったせいかな、「プレイングマネージャー」という言葉が自分の中で大きくなっていて、アウトプットすることで考えを整理できると思うから、その話をしてみたいと思います。お付き合いください。
 
 

プレイヤーとして一流の社員を
プレイングマネージャーに育てろ!

 
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Youtubeチャンネル「プレイングマネージャー」の回のサムネ画像
この悩みに思い当たった人は、ご視聴あれ!>>リンクURL
昔は「一流プレイヤーがイコール一流のマネージャーになれるかっていったらそうじゃない」と考えるのが主流だった。でも、それ、違うんじゃないかな。一流プレイヤーこそ一流のマネージャーになれるんじゃないかな。
 
そして我ら中小企業は、プレイングマネージャーこそ社内に育てるべきだと思う。特に商業の世界はBtoCだから、現場の状況が日に日に変わる。そのときに、マネジメント専門でやってきた人たちはお客さんの変化が全然わからない。大手はマネジメント専門でいいんだよ。本部が決めたことを実行しているかどうかの見張り番だけやってりゃ務まるんだから。でも、その仕事は将来AIに取って替わるわけでね。
 
中小企業の場合、一部署とか一店舗とか、つまり一つのグループは大体30人以下だ。そうすると全員の顔が見えるから、トップが駄目だとグループ全体が駄目なほうに行ってしまう。トップが一流じゃないと他が納得しない。プレイヤーとして一流だった人がマネジメントを覚えてプレイングマネージャーを務める組織にしていかないと、中小企業は勝てないんじゃないか。
 
二流のプレイヤーだった人にマネージャーをやらせてごらん、悲惨だから(笑)。勉強する気がないから二流止まりだったのに、「解雇規制が厳しいからしょうがない、マネージャーでもやらせとくか」って発想でグループのトップに据えたら、二流は自分より優秀な人のことは潰すから、グループがどんどん駄目になっていく。私はそういうのをいっぱい見てきた。
 
 

一流の定義は一つじゃない
プレイヤーとしての自分もさらけ出せ!

 
先月は野球を引き合いに出して、メジャーリーグを大手、日本のプロ野球を中小企業に、それぞれ喩えたけど、日本のプロ野球がメジャーのチームに勝とうと思ったら機動力と小技なんだよね、やっぱり。一流プレイヤーの定義は必ずしも「ホームランを年間50本打てること」だけじゃない。走塁がメチャうまいか、欲しいときに確実にバントを決めてくれるとかの選手も一流プレイヤーだ。中小はそういう人材を見つけてマネジメントを覚えさせて、プレイングマネージャーとして育てるべきだ。
 
それで言うと野球の監督もプレイングマネージャーだ。現役時代はみんなプレイヤーとして一流で、今は監督というマネージャー職を務めているが、それだっていちいち采配をオーナーに電話で確認するわけじゃない。現場を預かってちゃんと自分の判断で指揮している。昔、南海ホークスで野村監督(編集部注:故・野村克也氏)がキャッチャー兼監督をやっていたでしょう。あれがプレイングマネージャーの理想であり原点なんだ。そういえばプロ野球のチームもベンチにいるのは20人か30人。ちょうど中小企業や一部署の人数だ。やっぱり野球で考えるのがわかりやすそうだ。
 
組織論の世界では、プレイングマネージャーがプレイヤーとして成績が悪いときに部下のプレイヤーにきちんと指導できなくなるという問題がよく懸念される。でもそれは、私に言わせればプレイングマネージャーになり切っていないからだ。まだプレイヤーの頭でやっているからそうなるんだ。
 
プレイングマネージャーはプレイヤーとしても一流でなければならないが、常にトップでいる必要はない。負けるときもある。成績が悪いときもある。そういうときに本物のプレイングマネージャーなら、たとえばこんなふうに言うだろう。
「私も今回厳しかったよ、参っちゃってさ。君はどうだった? 駄目か。よし、次で挽回しよう。そのためには・・・」
これはつまり、プレイヤーとしての自分もさらけ出しているんだよ。プレイヤーとマネージャーを両方同時にやるというのはそういうことなんだ。
 
 

完全無欠でなくていい
「負けも知っている」ほうがむしろいい

 
心配しなくても、部下が上司をリスペクトする気持ちはそんなことでは変わらない。成績が上がったり下がったりというのは誰にでもあることぐらい彼らも知っている。部下は上司の下に付いたときからその上司のことをずっと見ているわけで、ちゃんと実績があれば「この人は一流だ」という評価は変わらない。
 
むしろ上司は、「負けるときも勝つときもある。その中でプレイングマネージャーを続けていくというのはどういうことか」の模範を示すことのほうがよっぽど大事だ。だって、ずーっと成績トップのままの人なんていないから。いたら化け物だから(笑)。第一、部下はそういう上司にはかえって教えを仰げないよ。恐れ多くて。
 
天下のイチローも生涯打率は3割ぐらいだった。でも、7割凡退しているからってイチローを二流と評価する人はいない。前回話した桑田だって、16勝5敗の年もあれば、勝ち星の倍くらい負けがついた年もあった。試合に出ていれば怪我もする、スランプもありうる。むしろそういう経験がないとプレイングマネージャーは務まらない。一流であるということは「負けも知っている」ということなんだ。もっと言えば「負けを誤魔化さない」ということなんだ。だから一流プレイヤーにマネジメントを覚えさせてプレイングマネージャーに育てよう。それが我々中小企業の急務だと思う。
 
 

膨大な人数のお客さんが相手
だからBtoCビジネスはおもしろい

 
これらのことを一言でいうと、考え方の転換が求められているということなんだろう。昭和の頃は「大きいことは良いことだ」という価値観だった。だから企業もみんな大手に倣い、大手の仕組みを真似て社員を育てた。そうすることが正しいと思っていた。
 
でも私は「そうかなぁ」と感じていた。自分は大企業を目指したいのか? 違う。自分は人に影響を与えたいんだ。そのために働くんだ。大企業にならないと人に影響を与えられないのか? 違うだろう。むしろ、大手が仕組みに胡坐をかいてお客さんに寄り添おうとしないところに、中小ならではの機動力と小技を活かし、社員の人間力で訴えていくのが、我々中小企業の正しい戦い方じゃないのか。――そういう考えが私の中にある。
 
私がこの考えにたどり着くことができたのは、たぶん、商業というBtoCの世界で揉まれてきた経営者だからだと思う。商業の世界では買いに来るお客さんは一般市民の大衆だ。相手にする人たちの数が膨大だ。限られた一部の相手を接待していればいいBtoBの世界とは訳が違う。別に東北新社やNTTを責めているんじゃないけどね(笑)。
 
長らく商業の世界に身を置いてきて、つくづく、「BtoCビジネスっておもしろいなぁ」と感じています。これからもお客さんのため、地域の人たちのため、目の前の「あなた」のために、全力で走っていくから、ヨロシク!
 
 
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vol.53 中小企業はプレイングマネージャーを育てろ! という話

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

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http://satocame.com/

 
 
(2021.3.17)
 

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